2022-01-01から1年間の記事一覧

【成功へのステップ】ゴリオ爺さん/バルザック③

パート2に引き続き、バルザックの小説『ゴリオ爺さん』の感想を書いていく。パート2では、各メイン登場人物のギブ&テイクに対するスタンスの違いについて書いた。 二つ目のトピックは、r>gの関係についてである。r>gとは、経済学者トマ・ピケティが著作『21…

【成功へのステップ】ゴリオ爺さん/バルザック②

パート1に引き続き、バルザックの小説『ゴリオ爺さん』を読んだ感想を書いていく。 ■感想 パリという大都会を舞台に描かれる人々の利害関係が印象に残った。そうした利害関係を最も象徴するものは、お金である。収入や年金の金額について克明に描写されてい…

【成功へのステップ】ゴリオ爺さん/バルザック①

バルザックの小説『ゴリオ爺さん』は、革命後の余波に揺れる1819年のパリを舞台に、南仏の没落貴族出身の青年ラスティニャックが立身出世を目指す姿を描く物語である。彼から現在を生きる私たちが学べることは何だろうか? 当時のパリは現在の東京のように稠…

【アートと資本主義】地図と領土/ミシェル・ウエルベック

フランス現代文学界の大スター、ミシェル・ウエルベックの小説「地図と領土」を読んだ。芸術と資本の関係がテーマとなっているが、日本の閉塞感とも通底する問題があると感じ、興味深く読めた。2021年には日経平均株価が30年ぶりの高値となり、3万円を突破し…