【居場所がないときは〇〇】父と子/ツルゲーネフ②

前回に引き続きツルゲーネフ『父と子』について書いていきます。 物語のキーパーソン、バザーロフについて分析してみます。 彼は地方の医師の家に生まれるが、ペテルブルグの医学部に進学したという秀才です。今でいうと、地方公務員の息子が東大理三に通っ…

【居場所がないときは〇〇】父と子/ツルゲーネフ①

皆さんは世代間ギャップを感じることはありますか? 例えば、以下のようなものです。 上司は石の上にも三年って言うけど、、、今は転職が当たり前の時代だよな! 30歳までには結婚しろって言われるけど、今は一人でも生きてける時代 大企業に骨を埋めるより…

【うちの職場はバカばかり?】地下室の住人/ドストエフスキー②

前回の記事に引き続き、ドストエフスキー『地下室の手記』について書きます。 なぜ彼は「周りの人間がバカに見えるという病」をここまでこじらせてしまったのでしょうか? 結論としては、受け身な態度が原因かと思われます。 第二部で語られるエピソードを見…

【うちの職場はバカばかり?】地下室の住人/ドストエフスキー①

皆さんは、周りが無能やバカに見えてしまうことはありますか?私は昔はよくありました。笑(今はないですよ!) 見方を変えれば現状に不満がある状態とも言えますので、そのような状況からは脱出したいですよね。 きっとヒントになる本がありますので、ご紹介…

【孤独で不安なあなたへ】自由からの逃走/フロム

自由は素晴らしい。こうしてブログで考えたことを表現できるのも、好きなところに旅行できるのも、すべて先人たちが自由を獲得してくれたおかげである。 一方で、自由であるということは将来への不安が付き物である。周囲を見回すと、その不安につけ込まれて…

【グレーゾーンを取り戻せ】街の上で/今泉力哉

今泉力哉監督の映画『街の上で』を観た。東京の下北沢を舞台にした恋愛群像劇である。古着屋で働く主人公・青は、物語の冒頭で恋人の雪に振られてしまう。雪を諦めきれず悶々としていたところ、自主制作映画への出演を依頼され、何気ない日常にちょっとした…

【成功へのステップ】ゴリオ爺さん/バルザック③

パート2に引き続き、バルザックの小説『ゴリオ爺さん』の感想を書いていく。パート2では、各メイン登場人物のギブ&テイクに対するスタンスの違いについて書いた。 二つ目のトピックは、r>gの関係についてである。r>gとは、経済学者トマ・ピケティが著作『21…

【成功へのステップ】ゴリオ爺さん/バルザック②

パート1に引き続き、バルザックの小説『ゴリオ爺さん』を読んだ感想を書いていく。 ■感想 パリという大都会を舞台に描かれる人々の利害関係が印象に残った。そうした利害関係を最も象徴するものは、お金である。収入や年金の金額について克明に描写されてい…

【成功へのステップ】ゴリオ爺さん/バルザック①

バルザックの小説『ゴリオ爺さん』は、革命後の余波に揺れる1819年のパリを舞台に、南仏の没落貴族出身の青年ラスティニャックが立身出世を目指す姿を描く物語である。彼から現在を生きる私たちが学べることは何だろうか? 当時のパリは現在の東京のように稠…

【アートと資本主義】地図と領土/ミシェル・ウエルベック

フランス現代文学界の大スター、ミシェル・ウエルベックの小説「地図と領土」を読んだ。芸術と資本の関係がテーマとなっているが、日本の閉塞感とも通底する問題があると感じ、興味深く読めた。2021年には日経平均株価が30年ぶりの高値となり、3万円を突破し…